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専門知識の習得に加え、
柔軟な思考を養い、グローバルな社会で主体的に行動できる能力を

私は「国際機構論」「グローバル・ガバナンス」「外交総合講座」などを担当しています。2014年に本学に就任するまでの約30年間、私は国連開発計画(UNDP)の職員として、開発途上国の貧困削減や平和構築の仕事に携わってきました。

この間、ニューヨーク本部や駐日事務所の他、タイ、インドネシア、ブータン王国に駐在して、国家開発計画策定、農村開発、飲料水の供給、環境整備などに関わる支援事業で現地の人たちと一緒に働きました。授業では、開発途上国と国連の現場での仕事経験にもとづいて、さまざまな課題を理論と実践例から検討します。

国際社会の平和と開発の諸問題には一つの正しい答えがあるわけではなく、各課題を多角的な視点から観察・分析し、さまざまな解決法を考慮・検討した上で、最も効果的な対応策を見出すことが求められています。

また、国際協力や国際開発の議論と活動に関わるためには、世界の多様なアクターとの交流を広げることが大事であり、そのためには国際社会の共通語である英語によるコミュニケーションが必須です。このことを踏まえ、専門分野の学習を深めるとともに英語力の向上も図るため、私の授業はすべて英語で行っています。

21世紀のグローバル社会で活躍するためには、観察力、分析力、発信力や行動力など、さまざまな能力とスキルが必要です。国際政治学科では、専門知識の習得に加え、柔軟な思考を養い、グローバルな社会で主体的に行動できる能力を身につけます。

地球共生社会の実現を目指して
グローバルに活躍できる人材を育成

国際政治学科
坂根 徹 教授
Prof. Sakane Toru

 国際政治学科には特色あるカリキュラムが用意されており、国際政治に関する多様で幅広い学びが可能です。

たとえば、私が担当している講義科目は「国際公共政策」というものです。入学を検討している皆さんにとってはなじみのない科目名だと思いますので、どんな内容なのか少しご紹介しましょう。

ここでは、国連システムやEUをはじめとした世界的・地域的な国際機関の組織構造や財政・人事などの成り立ち、また、国際安全保障・援助・経済などの政策を扱います。さらに、日本に焦点をあてた考察も進め、国・地方の組織構造や財政・人事などを把握しながら、その国際的側面の抽出・分析を行い、安全保障・援助・経済について日本ではどういった国際的政策がとられているかをみていきます。

このような国際公共政策の講義は、国際行政・公共政策・行政学・国際機構論・国連研究などの学問分野が関係していますが、私自身はおもに、国連システムの行財政を研究してきました。また、行財政の中でもとくに重点的に研究を進めてきたのは、公共調達の側面です。この研究の知見を生かし、「国際公共調達政策」をテーマとするゼミも担当しています。

国連システムの諸機関(特に国連・WFP・UNICEF・UNHCR・UNDP・世界銀行)の調達は、輸送・食糧・ワクチン・医薬品・車両などです。一方国内行政では、建設・防衛装備・ITなどが調達されていますが、WTO政府調達協定など、国際的な側面との関係を踏まえることも必要です。そしてこれらの調達では、効率性の確保や不正防止をはじめ、さまざまな考慮が求められるため、それらの課題を取り上げ多面的に考察していきます。

ゼミの学習は、学内での学習だけにとどまりません。たとえば、ゼミ合宿、ゼミ懇親会、外部講師の講演、学外でのセミナー参加、他大学との合同ゼミ発表会なども行い、そこには大学らしい学びがあるといえるでしょう。せまい意味での学力だけでなく、卒業後にも役立つ実践的な知識やスキルの向上に加えて、ゼミ生同士の協力、絆が強くなるという効果もあるようです。

以上は一例であり、国際政治学科、政治学科の専任の教員が開講するゼミに参加することで、さまざまなテーマについて深く学ぶ機会があります。多様で幅広い国際政治の学びをできるのが、法政大学法学部です。