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大学の学びには時間割がない!?

 時間割がないわけではありません。高校までとは違い、大学では、時間割を自分で作らなければなりません。開講している科目(たとえば、法律学科では120をこえる科目を開講しています)から、自分が学習したい科目を選んで時間割を作り、学ぶことができます。各学科では、系統的にバランスのとれた学習ができるようコースや科目群を設けているので、時間割を作成するときの参考になるでしょう。

法律の勉強ってむずかしそう…

 法の運用を理解するには、法律の条文や判例の学習が不可欠ですが、それらを暗記する必要はありません。大事なことは、言葉を厳密に定義して使うことです。わたしたちの日常生活では、言葉の意味を厳密に定義して使うことは少ないでしょう。しかし、法律が誤って適用されないようにするには、法律の条文を正確に解釈し、理解しなければなりません。こう聞くと、杓子定規に感じるかもしれませんが、法は人間の生活で起こった出来事を解決する手段。ですから実はとても、人間臭い学問です。

科目に登場する「単位」や「必修科目」

 時間割を自由に作って学ぶことができますが、卒業するには必要な「単位」数を取得しなければなりません。単位数は科目ごとに決まっており、授業に出席し、試験で所定の基準を満たせば、単位を得ることができます。「必修科目」は各学科で、この科目だけは、全員が必ず履修しなければならないと定めている科目のことです。

法律学科と政治学科・国際政治学科の違いは?

 法律学科は、社会内の対立を未然に防いだり解決したりするために、法をどのように運用するかを学ぶ学科です。一方政治学科は、人と人とが自由を確保しながら共存していくための方法・技術を、国際政治学科では、国境を越えて適用・運営されるルールや組織について学びます。3学科は、人間が一緒に生活していくための社会の秩序や制度を学習する点では共通しています。

教科書を使わない?政治学という学問

q5_photo 政治学では、多くの教師は教科書を指定することがあまりありません。「政治学者が百人いれば百通りの政治学がある」という言葉があるように、政治学にはスタンダードな教科書がないのです。ではなにを学ぶのでしょうか。ある政治学者は、影響力、支配(コンロール)、権威、権力を媒介とする人間関係を政治ととらえています。そのような人間関係はどこにでも存在しますが、発見することは簡単ではありません。たとえば学校には、「政治」などなくて、「教育」だけがあるように思っていませんか。政治学の学習は、ある事柄を「政治」として発見していくこと、「政治」である事柄と「政治」ではない事柄を区別する能力を習得することをめざしています。

「演習」はどんな授業?

 演習(ゼミ)は、20名くらいの少人数規模で行います。学生が中心となって、共通の文献を講読したり、共通のテーマを調査・発表したりするのが主な内容です。通常の授業とは異なり、演習は、学生が討論や調査に能動的・積極的に「参加」しなければ成立しません。論点やテーマについての答えを導き出すために、自分の意見を述べ、同時に、ほかのゼミ生の意見を聞き、議論することが求められます。大学の授業のなかで、知的にもっとも鍛えられる場といえるでしょう。

「演習」で身につく能力とは

 他者にわかるように自分の意見を述べるのは、思っているよりむずかしいものです。意見をもつ自分、その意見は他者に理解されるか判断するもう一人の自分。これを「自己の相対化」といいます。また意見の異なる人に対しては、なぜ自分と違う考え方をするのか、どうすれば、意見の一致に導くことができるのかという態度で接しなければなりません。これが「他者理解」です。このような「自己の相対化」と「他者理解」は、法学部教育が目標としている「人間の共存」のために不可欠です。共存するということは、お互いに話し合い、違いを認めながら折り合いをつけていくということなのです。

法学部での学びとは?

 法学部は、弁護士や公務員をめざす学生ばかりではありません。たしかに、司法試験や公務員試験を受ける学生がほかの学部よりも多いですが、卒業生のほとんどは、一般の企業に就職しています。実際、私たちがめざしているのは、法や政治に関する学習を通じて、人と人とのあいだの利害対立や考え方の違いを調整しながら、社会の秩序を創造・維持していく能力をもった人材の育成です。

 人間にとって、社会が住みよい場所であるのに必要不可欠なのが法制度や政治制度。その成り立ちや運営を考察する学問が、法学と政治学です。そして、そのような考察を進めていくことは、他者と良好な関係を築いていくために必要な技能の形成にも役立つはずです。最近では、法学部の科目は実用的ではないといわれることが多いのですが、「人間の共存」という観点からみれば、きわめて「実用的な」内容を含んでいるのです。